誰も言わなかった薪ストーブの話

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煙突の取付は一筋縄ではいきません


煙突そのものの構造も大切ですが、それ以上に大切なのが煙突の形状です。
今まで何度も『プロに施工してもらいましょう』と言ってきたのは、ここにも理由
があります。

 煙突はできるだけ真直ぐにするのが理想的です。途中で曲がりがあると、
抵抗が大きくなり薪ストーブの排気性能を低下させます。
また、曲げた部分にススがたまりやすく、その分こまめな煙突掃除が必須となり、
煙突掃除もやりにくくなりがちです。
しかし素人さんが施工すると、そんなことは気にせず、自分の工事がやりやすいように
途中で何度も曲げたりしてしまいます。
私も実際そんな「困った」煙突をいくつも目にしています。

 既存住宅に薪ストーブを入れる場合などは、仕方なく何度か曲げることもありますが、
最小限に、そしてどのあたりで曲げればいいのか、薪ストーブのプロはしっかり見極めて取付ます。また、曲げた部分ははずせるようにして掃除しやすくするなど、
場合によっては後日のメンテナンスのために工夫も必要になります。

 煙突は長いほうがよく、短いと煙が逆流する要因にもなります。
最近気になっているのは、都会では2階がリビングという家が増えたこと。
2階に薪ストーブを置くとどうしても煙突が短くなってしまうのです。
またご存知のように暖かい空気は上昇しますから、階下の部屋はなかなか暖かくなりません。
そして、薪をいちいち2階に運ぶのは結構大変……と、
2階の薪ストーブはさまざまなストレスがあることを知っておいてください。

 話を煙突に戻しますが、煙突を屋根からどのくらい立ち上げるか、というのも重要です。
建物や屋根に風が吹き付けた場合、屋根の上に圧力が高くなる部分(風圧帯)ができます。
そこで煙突の先端が風圧帯より低いと、煙突から薪ストーブに風が逆流する現象が起こる場合があります。しかし一方、煙突をむやみに高くしてしまうと、煙突掃除ができません。

 薪ストーブは一軒一軒の家に合わせた適切な煙突高があり、それは周囲の環境や屋根勾配
によって決まります。隣接する家との位置関係や風向き、煙突近くに庭木などがあれば、
それも考慮しなければなりません。経験豊かな薪ストーブ屋なら、間違ない施工をしてくれます。もし施工する人に不安を感じたら、試しに「風圧帯って知ってます?」と聞いてみましょう。
経験豊かなプロは絶対知っています。

 また煙突と壁、屋根などが接触する部分には専用の部品などを使いますが、
これらは規格品は少なく、その家の状態、壁の建材などに合わせて薪ストーブ屋が特注して
用意することも珍しくありません。また煙突から雨、鳥や虫が入らないよう、
雨除け、防鳥網なども必要です。海外と違って高温多湿の日本ですから、
サビなどに強い材料を使う必要があります。

 もし自分で煙突をつけようと思ったら、これらのリスクを負う覚悟が必要です。
くれぐれも煙突火災などを起こさないよう、特に安全性には配慮して工事してください。